知覚変形音地図

実際に空間に存在する音と自分が知覚する音にズレがある、自意識は知覚を歪めることがある、という発見から武蔵美の中の3つの場所で10分間音のリサーチをし、リサーチした音をそれぞれ音源別に言語化をしたのちその言語からイメージした図像を用い、意識の移り変わり(Aの音が聞こえていたけどBの音が聞こえ始めそちらに意識が集中する、など)ごとに細分化し地図に落とし込み、時間の連続性の中で見ることができるようにしている。

地図は1つの箇所につき2種類作っていて、心理的な距離感、存在感に基づいて図像を配置したものと実際の距離に基づいて配置したものの2種類を比較できる形にしている。

メディアとしては、透明フィルムで図像を重ね合わせて立体的な積層状態で見ることができるインスタレーション、個々の図で何が知覚されたかの詳細をテキストとともに知ることができる書物、そして時間軸を1枚に圧縮したポスターの3つのメディアに展開して、音の知覚における複雑な現象を視覚化した。

書物では、インデックスを作り逆引きができるほかインデックスを側面から見た時のそれの厚みによりその音が10分間でどのくらい存在したか、ということも分かるようになっている。

ポスターからは、圧縮された図像から心理的な距離感に基づく地図と実距離に基づく地図の比較により知覚のズレが明確に読み取れるほか3つの場所の地図を比較することにより音に関するその環境の特性が読み取れる。

実空間上の音の分布と私の意識における音の分布。
3つの場所の比較。
3つのメディアへの展開。
私の作品を通して、身の回りに常に存在している音環境とそれを知覚する人の関係が、いかに複雑なものであるかを感じてもらえたらと思い制作した。

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